10万円支給の後に我々がなすべき準備


 新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、人々に外出を自粛するよう促し、飲食店など人々が集まる店舗に対しては休業を要請しています。店を開けても人通りが極端に少なくなっていることもあり、飲食店、衣料品店、ホテルの多くが休業に追い込まれています。飲食店の一部は、テイクアウト販売で少しでも売り上げを作ろうとしていますが、店内での販売(イートイン)をカバーできているところは非常に少ないでしょう。

 店舗の多くは、店舗を用意するために家賃を支払います。休業に伴い、仕入れや人件費の支払いはなくなりますが、家賃は営業の有無にかかわらず支払いが続きます。飲食店やホテルは、日々の売り上げから経費を払うのが一般的ですので、飲食店やホテルなどが家賃を支払うには、これまでの貯えを取り崩すしかありません。

 政府などは、休業要請による負担を和らげるため、助成金の支給や無利子融資制度を始めました。ただ、助成金の支給は1度のみがほとんどで、金額は家賃すべてをカバーできる規模ではありません。無利子融資は、利払いがないとはいえ、借金です。たとえ現在の苦境を乗り越えたとしても、後で融資を返すことを考えると、高齢の経営者ほど魅力のないものに見えます。

 緊急事態宣言は5月末まで続くため、外出自粛や休業要請が解除されるのは6月からでしょう。それまで、店舗の多くは、日々の売り上げがない中で家賃を支払う状態が続きます。また、外出自粛や休業要請が解除されたとしても、来店客数が以前の水準まで回復するには時間を要するでしょう。

 店舗を続けるために、これまでの貯えを取り崩さなければならず、営業が再開できたとしても売り上げがどこまで戻るかわからない状況のため、がんばって店舗を続けるのではなく、これを機に店舗を閉じる(閉店する)経営者もでてくるでしょう。そして、来店客数の回復ペースが緩やかなものであればあるほど、閉店する数は増えると予想されます。

 4月末には、一人あたり10万円の特別定額給付金などを含んだ総額25.6兆円の補正予算が成立しました。ただ、特別定額給付金は、すべてが消費に回るわけではなく、一部は貯蓄されてしまいます。また補正予算のなかには、新型コロナウイルス感染症対策など休業している店舗とは別の用途に使われるため、補正予算が休業による経済被害をすべてカバーするわけではありません。

 特別定額給付金などで需要が盛り上がるものの、閉店を通じて供給が制約される悪影響のほうが大きく出る、と考えたほうが素直に思います。仮に、この考えが正しいのであれば、日本経済は(少なくとも)今年いっぱいは不況とみていいでしょう。不況ですから、物価は上がりにくくなり、仕事を探すのも大変になります。サラリーマンの多くは、ボーナスを中心に給料(年収)が減ることになります。

 ただし忘れてはいけないことは、不況はいつか終わり、いずれ景気はよくなる、ということです。経験が少ない方ほど、目の前で起きている現象にとらわれがちで、不況がいつまでも続くと考えてしまいがちです。しかし不況マインドに縛られすぎると、次に現れるチャンスを取り逃す可能性が高まるのも事実です。

 周りの状況を気にしながらも、いずれ目にする明るい将来を楽しむために、これからしばらくは準備に励むのもいいかもしれません。たとえば、資格を取得するのも一つの方法ですし、起業プランを練るのもいいでしょう。

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